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04.九州への旅

20158月、「Interior Lifestyle Tokyo」での出会いをきっかけにして、九州の2つの会社を訪問することになった。一つは、小倉織の「縞縞」。もう一つは佐賀県の窯元である「副久製陶所」である。

まだ当時は、工芸に関しては知識が浅い時期で、翌月の9月に訪問が実現する岐阜県の窯元である「深山」を含め、こんな自分の訪問を快く承諾してくれた三つの会社には、感謝の想いが尽きない。

九州では、まず副久製陶所を訪問した。展示会では、新たに作ったと言う美しい青色の磁器「GOSU」を展示していた。「GOSU」は、凛とした質感を持つ器だが、展示会でお話しした窯元の奥様である副島美智子さんはとても柔らかな印象の方で、その少しのギャップが印象に残っていた。

訪問をしてみると、副久製陶所は、佐賀県の吉田という地域で、ご夫婦で作陶している小さな製陶所だった。近隣には有田・波佐見という有名な磁器の産地があるが、ここ吉田地区は、長い歴史を持ちながらも、なかなか名が出ることなく、地道な作陶を続けてきている地区なのだと言う。このGOSUシリーズは、夫婦での作陶に閉塞感を感じつつも、何か新しい道を切り開きたいという想いから生み出された意欲的な作品であった。長年、同じ環境で作陶をしていた二人が、デザイナーとコラボレーションし、東京の展示会にまで参加するというのは、大きな決断が必要だったように思う。お話を聞きながら、そんな志に、強く感動をしてしまった。

美智子さんが言うには、展示会後にこうしてすぐに訪問してくる人は少ないらしく、「わざわざこんな遠くまでありがとうございます」と、何度もお礼の言葉をいただいた。確かに、東京からこの吉田地区までは、飛行機・電車・車と乗り継いで、片道5時間ほど。国際線であれば東京から香港にまで行ける時間である。しかし、自分自身で時間をかけて移動をして、こうしたストーリーを現地で聞けば聞くほど、商品に愛着が湧くようになり、想いが深くなっていく自分がいた。

そして、次の日は、北九州の小倉へと向かった。まずは、縞縞のショールームに伺い、次の日には小倉織の染織家である築城さんの手織りの工房を案内いただいた。一軒家の築城さんの工房は、とても趣があり、そこで染められている草木染めの糸の美しさに、一瞬で心を奪われてしまった。

「こんな工房を、海外の人々が見たら、どんなに喜ぶだろう」

工房だけでなく、築城さんの所作やものづくりへの想いは、とても奥深いもので、築城さんの語る言葉からは、ものづくりに対する強い覚悟のようなものを感じた。

副島夫妻のような暖かなものづくりもあれば、築城さんのような芯の強いものづくりもある。きっと、それぞれの作り手には、こうした想いやストーリーがあって、それらの話は、十分に海外の人を魅了するものであろうという心の中の確信があった。

まずは、物を売る以前に、こうした何かを伝えることから始めたほうが良いのかもしれない。

何か、はっきりとした道のりが見えた気がした、九州への旅であった。

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文・写真:Yusuke Shibata