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16.Brilliance of Heritage

20173月、HULSの初めての公の展示会となった「Artisan – Beyond Craft」の期間中に、新商品「Brilliance of Heritage」を発表した。この商品は、小倉織ブランドの縞縞と共同で開発したオリジナルの生地である。

HULSは、縞縞のシンガポールでの代理店として、縞縞の生地の営業を開始していたが、縞縞の生地は、日本の季節感から生まれた深みのある色合いを中心としているため、一年中気候が温暖なシンガポールのような国では、より鮮やかな色を求められることがたびたびあった。こうしたニーズを受け、色を変えることが、新たな海外展開のきっかけになるのではと考え、二社共同で、新たな生地開発を行うこととした。

最初に行ったのは、小倉織の作家であり、縞縞のクリエイティブディレクターである築城さんにシンガポールの色文化をお伝えすることだった。シンガポールはマレーシアから独立した国であるが、マレーシアには独特のパステルカラーが魅力の「プラナカン」と呼ばれる文化があり、その文化を理解いただくことが、新たな生地開発のヒントになるのではと考えた。偶然にも、企画当時、九州でプラナカン文化の展示会が行われており、築城さんに見学に行っていただき、存分に、プラナカンの特徴を肌で感じていただくことができた。

築城さんが、プラナカンからインスピレーションを感じたのは、花模様であったという。確かに、南国の暖かな気候に咲く花は美しい色彩を持ち、それを切り取りたいと思うのは、自然の流れだったのかもしれない。築城さんは、元々、色へのこだわりを強く持つ作家であり、今回の企画の際も、プラナカンの花模様をもとに、何度も色の試験をしていただいた。その結果、とても美しい色糸が仕上がった。

今回、シンガポール側ではデザイナーを立てることはせず、HULSのシンガポールスタッフであるLimがアドバイザーとして関わることとした。こうしたコラボレーションの際には、互いの関係構築が大切だが、Limは、築城さんとミラノで面識があり、すでにお互いのスタイルを理解していることは重要だったように思う。色糸の決定の際にも、Limから適度なアドバイスをさせていただき、制作時の両者のコミュニケーションはとても良いものだった。

最終工程では、仕上がった色糸を元に、縞柄のデザインを制作いただいた。ここで、何よりも大切なのは、小倉織特有の縦縞の魅力を最大限に活かすこと、そして、海を超えたコラボレーションとして、海外の人に伝わる斬新さを生み出すことであった。何度かのやりとりを経て、築城さんらしい、見事なオリジナル柄が感性した。

この生地は、シンガポールでの発表後、縞縞の地元福岡の百貨店でも展示販売をさせていただいた。実は縞縞にとってもこうした国際的なコラボレーションは初めての試みだったのだが、この生地が、縞縞の関係スタッフそして、縞縞のお客様にも気に入っていただけたことは、とても喜ばしいことだった。

コラボレーションは、まさに双方向であるからコラボレーションであり、互いに良いと思うものづくりができたことは、大きな経験となった。

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文:Yusuke Shibata、写真:Takuma Suda