HULSの始まり

株式会社HULSは、2013年4月にWebデザインを専門とするクリエイティブ会社として設立された。神楽坂の事務所を借りて、私とWebデザイナー1名との僅か2名での始まりだった。当時は、世界的に流行していた「デザイン思考(Design Thinking)」に影響を受けていて、デザインを行う上での考え方やアプローチが、この先多くの中小企業の経営に重要だと思っていた。今でも、この考えはHULSのベースになっている。

起業の際には、ネーミングやコンセプト決めが必要となる。HULSとは、「人(HUMAN LIFE)と社会(SOCIAL LIFE)」という意味と「HUB」という意味を重ね合わせた造語だ。創業当時から、国際的な事業の必要性を感じており、この会社を通じて、個人だけではなく、社会のためにできることをしたいと思い、この名を付けた。創業の際には、こうして日本工芸の海外展開に特化していくとは思いも寄らなかったけれど。

当時から考えていたことは、「テクノロジーがどんなに進化しても、本当に大切なものは昔から変わらないのではないか」ということ。何年も昔の人が描いた絵を、今でも人は美しいと思うし、綺麗な夕暮れの空には、きっと未来の人も感動を覚えるに違いない。そんな本質から目を逸らさぬことが、この先の未来にはきっと大切なのだろうと。

こうして、HULSの創業時のコンセプトは「昔から変わることのない何か」となった。クリエイティブな事業をするからこそ、どんなときでも普遍的な価値を見失わないように。このコンセプトは、ロゴタイプの元になり、HULSのコーポレートロゴは、Old StyleとNew Styleの文字とが繋がるように作られている。

そこから数年後、創業時のコンセプトから導かれるように、HULSは日本工芸の海外展開に注力していくこととなる。